軽業師は新撰組隊士!
沖田は握手を知らない。
首を傾げてこちらを見ている。
(知らない、の?本当に。)
「沖田組長。これは異国の文化で、“しぇいく はんず”という挨拶のときにするものです。」
鬼一の言葉に、またしても楓は驚く。
(握手って…、この時代にはまだ普及してなかったんだ…。)
平成の時代での常識が、こちらの時代では通じない。
「異国…?楓も濱口さんも、よく知ってますね?」
「あ、あの、見せ物小屋はいろんな地を転々としますので、異国の方に会うことも多かったので…」
「あぁ、なるほど。濱口さんは?」
「俺は、偶々です。昔、助けた人が変な人で、土佐訛りのくせに妙に異国に詳しかったんです。」
その言葉に、楓は引っかかる。
土佐、異国。
この二つのキーワード。
それに通ずる人物がいたような……そんな気がした。