軽業師は新撰組隊士!


しかし思い出せない。

義務教育しか受けず、すぐにサーカス団に入り本格的に活動を始めた楓は、博識ではない。


知識が足りない、と初めて実感した。

これから先、新撰組がどうなるのか、それすら知らないのだ。



「二人とも、物知りなんですね。」

「さっきも言いましたが、俺は偶々ですよ。物知りなんかじゃないんです。」

「…私もです。」


――むしろ、知らないことが多すぎる。

ほんの少し知っていることすら、この時代では役に立たず、無知に等しい。



帰りましょう、と再び沖田に催促され、歩きだそうとしたが、

クルリと一回、橋を振り返ってお辞儀をした。



そして、既に歩き出していた沖田と鬼一を追いかけた。





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