軽業師は新撰組隊士!
「言葉じゃない、動きで魅せるんだ、幸せにできるんだ。私の父の口癖です。」
嬉しそうに話す楓。
それほどまでに軽業というものが好きなのだ。
しかし
楓の表情に、一瞬だけ陰がさす。
すぐに元に戻ったが、三人はそれを見逃さなかった。
「先祖は……その軽業に魅了された。だって、自分達の特技を、人を傷つけず、幸せにできるなんて………思ってなかったんでしょう。」
それに、と楓は言う。
「もともと、仕えていた家が、もうダメだったんです。守るものが無くなっていた。―――主がいないのは忍として、存在意義が無いに等しい。」
だから、滅んだんです。と楓は微笑みながら語った。