Love Box:)







『は、じめまして』

「こちらこそ、」


車に乗るよう、促されてから早3分。

私の鼓動は高鳴るばかり。

車内に漂う井上さんの香水(かな…?)の香り、近距離で感じる存在感、とか。

そういうもの全部に、良い意味で体中が蝕まれていくようで…




「桜さんは、大学の頃から俺のこと、知ってたの?」



(…息が、できない)



『あ、は、はい!…だって、井上せん、じゃなくて井上さん有名でしたもん』

「そんな、大袈裟だよ」



(…いえ、ちっとも大袈裟なんかじゃございませんけど)



寧ろ、控えめだ。




「…驚いたよ。横田が急に酔って電話してくるから、」

『っ、すみません、本当』

「いいよ。こんな可愛い子と会えたから」


サラリ。運転しながら前を向いて、そんなことを言う。



(…ヤッパリ、慣れてるのかな)



当たり前といえば当たり前だ。

容姿、頭脳、財力、紳士。兼ね備えた男なんだから。



だけどね。

(私、聞いたんだけどな…)



もうそれも5年も前の話。先輩も変わってしまったんだろうか。















< 13 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop