Love Box:)
『は、じめまして』
「こちらこそ、」
車に乗るよう、促されてから早3分。
私の鼓動は高鳴るばかり。
車内に漂う井上さんの香水(かな…?)の香り、近距離で感じる存在感、とか。
そういうもの全部に、良い意味で体中が蝕まれていくようで…
「桜さんは、大学の頃から俺のこと、知ってたの?」
(…息が、できない)
『あ、は、はい!…だって、井上せん、じゃなくて井上さん有名でしたもん』
「そんな、大袈裟だよ」
(…いえ、ちっとも大袈裟なんかじゃございませんけど)
寧ろ、控えめだ。
「…驚いたよ。横田が急に酔って電話してくるから、」
『っ、すみません、本当』
「いいよ。こんな可愛い子と会えたから」
サラリ。運転しながら前を向いて、そんなことを言う。
(…ヤッパリ、慣れてるのかな)
当たり前といえば当たり前だ。
容姿、頭脳、財力、紳士。兼ね備えた男なんだから。
だけどね。
(私、聞いたんだけどな…)
もうそれも5年も前の話。先輩も変わってしまったんだろうか。