Love Box:)
『…どうし、て』
「なに、」
『どうして私を、誘って…、』
「あぁ」
まだ言葉のぎこちない私の真意を悟った井上さんは、軽く相槌を打って右折した。
(…ハンドル切るだけで、抜群に格好いい)
「それはね」
相変わらず私の方は見ずにポツリ、
「…秘密、かな」
ニヤリ。初めて横に顔を向けた井上さんの瞳と私の目がかち合った。
―――ド、キ
目が合った、ただ、それだけ。
それなのに早鐘のように鳴り始める左胸をぎゅ、握りたくて、鎮めたくて。
(…でも)
そんなことをしたら動揺しているのが、バレる。
『秘密、ですか…』
誤魔化すように、乾いた笑いをひとつ。
そうやって苦笑しながら視線を前に戻して、その瞳から逃げ出した。
(…ビックリ、した)
ずっと、スキだった、筈なのに。
先程の瞳は今まで見たことのない種類で。
(…あんな眼、初めてみた)