Love Box:)
でも、それじゃだめなのよ。
あたしたちは決して、離れた距離でお互いに見つめ合うことなんてできない。
内側から溶け合うように、融かしあって。ドロドロ、トロトロ、じんわり、じわじわ。そうやったあとまた固まって、繰り返す。
そんな行為がお似合いなのよ。
『ね、繋がろう?』
「今してるでしょ?」
繋がったまま、呆れたようにたっちゃんが言ってキスをする。ちがうの。ちがうの。
『ちがうの。あたしたちの世界はもう、お隣の襲撃を受けて崩壊してるわ。なくなって、途切れてしまうまえに…』
あたしは彼の両手を自分の首に回した。その上からぎゅ、と力を込める。
「どえむ?」
からかうたっちゃんは笑っていたけれど、あたしの黒い瞳とたっちゃんの茶色い瞳が互いを引き込んで、自爆装置のセットは完了した。
『―――――…ィ、ギ』
ドクドクドクドクドクドク。
それは久しぶりに感じたあからさまの恐怖だった。
反射的に涙が流れ落ち、ゆるめられた気道からは酸素が入り込む。