Love Box:)
「みちる」
顔いっぱいに怯えと弱さを貼り付けた私は、すんでのところで抵抗して、咄嗟にたっちゃんの両手を掴んでいた。
こわかったこわかったこわかったこわかった恐かった。
やっぱりあたしはあたしで、たっちゃんはたっちゃんなのだ。そう自覚させられるだけの行為だった。
(…別の生き物)
同じ、なんかじゃないのね。
『いや、いやいやいや』
「みちる」
首を振って泣く私を愛しそうに見下ろすたっちゃん。
だけどわかってるのよ。あなたがもう、あたしをどう扱ったらいいのか解らなくて、途方にくれていることくらい。
「みち、る」
首からそっと両手を離すと、たっちゃんは壊れるくらいにあたしを抱きかかえる。
首にはべったりとたっちゃんの指先の感覚が残っていた。