Love Box:)







「好き、だよ」


肺が押し潰されて本当に息ができない。

声ひとつ発することができないくらいの抱擁、ううん、きっと抱擁なんてものじゃないわね。

たっちゃんもまた自分の中にあたしを閉じ込めようとしているの。

ああ、その体の中にこのまま吸い込まれてしまえばいいんだわ。




「好きだよ」


たっちゃんは何年ぶりかに聴くような弱々しい声で呻くように小さくそう言った。

でもそう言われる度に、ずん、ずん、とあたしの全部は抜け出せない深い穴にハマっていくようだ。

その穴の先は天国か地獄かわからないけれど、この落ちていくような感覚の先に、すがすがしい未来なんて見えないじゃない。




(…それだけはだめなのよ)




『それだけは、言っちゃいけなかったの』


たっちゃんだって、わかっているでしょう?










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