イマージョン
グッズも手に入れられたし、チケットに書いてある22ゲートへ向かった。22ゲートに丁度、BLOODの看板が出ていたので写真に収めた。
義則が何だか、そわそわしている。
「どうしたの?トイレ?」
「あ、うん。ちょうど目の前にあるから待ってて」
そう言うと足早にトイレへと向かって行った。
それにしてもコスプレしている人が多いなぁ。でも中途半端な人も居る。フフ。あの体型で、お腹出したらマズいでしょうが。あ、人の事言えない。ごめんなさい。私の方が格段に太っています。ごめんなさい。あっちの人はメイクも完璧で顔もYU-Aに、そっくりだ。赤い髪はカツラでは無くて自分で染めたぽいな。衣装も自作かな。身体に合っている。原宿に行けばコスプレ衣装が売っているけれど器用な人は自分で作ってしまうから本当に凄い。向こうでは撮影会が始まっている。コスプレが上手い人は人集りが出来るんだよね。普通に話している時は笑っているのにカメラを向けられると一変して顔くれるのが面白い。私も撮らせて貰おう!最後だし。走って撮影会の順番待ちをした。そこには暗黙のルールが有って、
「すみません。写真撮らせて貰って良いですか?」
と、許可を貰わなければいけない。そして撮り終えたら、
「ありがとうございました」
と、お礼を言う。
やった。撮れた。綺麗だったなー。アイドルの追っかけをしているオタクの気持ちが分かる。こんな体型を隠したダサい格好をしている私は本当にオタクみたいだ。自分なりに、お洒落をしたつもりでも、上には上がいる事を思い知らされ、少し落ち込んだ。何時も思うのだけれど私は人間観察が癖で人と比較して羨んで落ち込む事が多い。落ち込んだ気持ちのまま、トイレの場所に戻った。
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