高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



「盗撮ねぇ、こんな映像を見て誰が喜ぶんだ。精々君達ぐらいだろう。警察を呼ぶことはオレは構わない、非は一切ないからな。その代わり君達が同級生をイジメていた記録と証言をさせてもらう。長い付き合いになるぜ」



通報するのは指一つで出来るが、そのあとは生半可じゃ終われない。どういう経緯(いきさつ)で警察沙汰に発展したかの事細かく、事情聴取をされる。


「君達はオレ同様で警察にもシラをきるだろう。未成年なら親も関わってくる、規模は拡大していって裁判までいったらどうする?オレが不当な理由で逮捕されたら君達を訴えるね。一般家庭が長い裁判の費用や労力に耐えれるか?弁護士費用は馬鹿にならないぞ。耐えれたとしても、高校生活の思い出としては最悪だよな」


「大袈裟な、何がいいたいわけ、回りくどい」


「回りくどいわけがない、君との会話でのオレの返答なんだからね。因みにオレはこの中野北高校の卒業生だ、母校に立ち寄る権利はある。可愛い後輩の辛い姿見たくねぇんだよ、くだらねぇ真似すんな」


相手に先手を取らせないよう、次から次へと言葉の散弾銃を打ち続ける。今まで多くの修羅場を潜り抜けた経験の代物だ。

「若葉行こうぜ、あれネットとかで流されたらヤベェよ」


「けど……」


「察しがいいな彼の方が」


二階堂の説得で遷崎を睨み付けながら名雲若葉は、イジメを中断し教室へ帰っていった。


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