17-セブンティーン-
「確かに、にらめっこしてるように見えるな~って。全員にらめっこ」
「…」
「それが可笑しいな~って思ってたら、橘さんにニヤニヤしてるって言われた。
恥ずかし~俺」
俺は口元を手で覆った。
「ご、ごめん…悪気はなかったの」
また橘さんが申し訳なさそうに言うのが可笑しかった。
「俺も、謝ってもらいたくて言ったんじゃないから」
「あ…そっか、ごめん。…ってあぁ」
橘さんは顔を伏せた。
「帰ろっか」
俺が言うと、彼女は「うん」と頷いた。
あ、そういえば…
《バイトはわかるけどよ、女の子を駅まで送り届ける余裕もないのかお前は》
「…」
《女の子は男が守るのが義務だから》
いやいや無理無理…
俺、日本人だし…。
いつかのジェントルマンのセリフが頭をよぎるが
俺には言葉にする余裕はない。
「あの…」
「…え?何か言った?」
橘さんが俺の思考を遮った。
彼女は「あ…いや…」と、半分びっくり半分何か言いたげにもじもじした。
「西原くん…今日バイト?」
「うん」
「すぐ?ちょっとも時間ない?」
「…」