君に触れたくて…




「先生いる?」




生憎先生はいないみたいだ。



スースー



ベッドへ近づくと、秋桜の寝息が聞こえてきた。



本当かわいい。
何でこんなに好きなんだろ。



そっと秋桜の頬に触れる。



ずっと、触れたかった。


でも俺が触れたら、秋桜が壊れそうな気がしたんだ。



だから…今だけ…
許してくれよ…、な?



柔らかい頬。
触ると同時に秋桜から声が漏れる。



びっくりして手を離したが、起きない様子だ。



はぁー…、
やべぇ好き。




「秋桜…」




俺はそっと、彼女にキスをした…。




「ん…」



「起きたか?」



「…え?り…りおん?」



「帰るぞ」



「えっ…なんで」



「あのクソ智樹からお前を送れって頼まれたんだよ!」



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