月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
ですからお願いしますと、達郎兄ちゃんは再び頭を下げた。
「お願いします」
あたしも達郎兄ちゃんにならって頭を下げる。
「そこまで言うなら…」
婦長さんはナースステーションの様子をうかがうと、いくらか声のトーンを落として話はじめた。
婦長さんが事件に「気付いた」のは、勤務を終えて自宅マンションに帰った時だった。
時刻は午後8時過ぎ。
「近所のスーパーで夕飯の買い物をして帰ったんです」
ちなみに婦長さんは一人暮らしだそうだ。
「玄関に荷物を置いた時、携帯が鳴りました」
携帯を見ると、メールが着信していた。
送り主は多江さん。
「メールの内容は自殺をほのめかすものでした」
自殺…。
認めたくないフレーズが胸に突き刺さる。
「メールを見て、すぐに病院に戻りました」
多江さんの病室に行ってみたが、そこには多江さんの姿はなかった。
そこで婦長さんはナースステーションに行き、多江さん捜索の手伝いを頼んだ。
「お願いします」
あたしも達郎兄ちゃんにならって頭を下げる。
「そこまで言うなら…」
婦長さんはナースステーションの様子をうかがうと、いくらか声のトーンを落として話はじめた。
婦長さんが事件に「気付いた」のは、勤務を終えて自宅マンションに帰った時だった。
時刻は午後8時過ぎ。
「近所のスーパーで夕飯の買い物をして帰ったんです」
ちなみに婦長さんは一人暮らしだそうだ。
「玄関に荷物を置いた時、携帯が鳴りました」
携帯を見ると、メールが着信していた。
送り主は多江さん。
「メールの内容は自殺をほのめかすものでした」
自殺…。
認めたくないフレーズが胸に突き刺さる。
「メールを見て、すぐに病院に戻りました」
多江さんの病室に行ってみたが、そこには多江さんの姿はなかった。
そこで婦長さんはナースステーションに行き、多江さん捜索の手伝いを頼んだ。