白雪姫?
「こ、こんにちは、か、かっ、可愛らしい、お嬢ッ、ちゃん!
私はみすぼらしい、りっ、林檎、売り…だよ。」
最早、屈辱の域を超えていたのでしょう。
女王様はフルフル奮えながら、笑顔が貼り付いたような表情をしていました。
すると白雪姫はにっこり笑って、女王様を家の中へ招き入れました。
「どうぞ入ってください。
外は寒かったでしょう?」
「へっ?あ、ああ、うん、寒かったね…。」
女王様は思わず、すっとんきょうな声を出しました。
だって、てっきり拒まれるかと思っていたのですから。
こんなにアッサリ入れることを予想していなかった女王様は、次の作戦に移ろうと、そっと林檎を取り出しました。