君との出会い~奇跡がある限り~
とくに予定も入っていなく、暇だったので私はまたライブステージへと向かった。
会えないとは分かっているけれども、それでも憧れの人の近くに行きたい。
どうしても、そう思って淡い期待を抱いてしまう。
仕方ない。所詮は凡人。
こんなことぐらいでしか、新しい刺激を求められない。
それにさっきは、帰る人の波に呑まれてしまってグッズを見れなかったし…。
しかし午後のライブは、かなり後にあるのに人でいっぱいだった。
仕方なくグッズを見るのをあきらめた私は、建物の中を探検することにした。
すべて探検しつくした後まだ込んでいたので今度は、建物の周りを探検することにした。
「……楽屋には、入れないみたいだったし、やっぱり会えるわけないか…」
そう思って裏口らしきところに近づいたときの事だった。
「やばいわよ?こんな所で誰か来ちゃうわ!!」
「はは、相変わらず心配性だなぁ。どうせみんなあいつに夢中で誰も来ないって。」
どこからか人の声が聞こえてきた。
あたりを探してみるとすぐ近くの木の陰に誰かがいた。
「え、ま・まさか…YUNYUN!?」
そこにいたのは紛れもなく探していたYUNYUNだった。
「あれ?あの女の人どこかで見たことがある!?」
「だ、誰かそこにいるの?」
どうやら、女の人は私の声が少しだけ聞こえたみたいだった。
私はあわてて音を立てないようにその場から逃げるようにして去っていった。
「勘違いじゃない?でも念のため今日はもう帰る?」
「……うん。ばれても困るから。
ほら、私有名人だから……。由紀にもよろしく言っといてね?』
こうして二人の男女は、次に会う約束をしてその場から去っていった。
ただ男の人のほうは、麗羅がさっきまでいた裏口のほうをしばらく眺めていた