君との出会い~奇跡がある限り~
さっきより、はっきりと顔が見えて気づいた。
確かに似てはいるけれど、よく見るとYUNYUNより少し幼く、同い年くらいにも見えた。
それに、声も少し高めだし……どことなくやはり違うと思った。
そこでやっと、由斗がYUNYUNでないことに気づいた。
「本当だったんだ……YUNYUNじゃないって。
だから、裏口にいた覚えは無いって………」
「やっぱり…お前だったんだな。」
さっき私が見たことに覚えが無いと言った、YUNYUNの言葉とこれで辻褄があった。
「……うん。ごめんなさい……てか見たくて、見たんじゃないし!!
あ、あんなところで変な事してたほうがいけないじゃない!!」
私は、精一杯気の強い女を演じてみた……いや、ただ意地を張ってみただけで……
誤ろうと思っていたことなんて、すっかり忘れていた。
「はは、お前面白い女だな。…………カ……イ」
「えっ?最後なんて言ったの?聞き取れなかったもう一度言って!!」
「…聞こえなかったなら別に良いよ。てかなんでそんな生意気になってんだ?」
「……そっちが最初から生意気なんじゃん!私だって初対面の人にこんなになれなれしくしないよ!
あんただから。それにお前って言うのやめてくれない?」
「じゃあなんて言うんだよ?」
「何が?」
「名前だよ。こっちは教えたのに…“あんた”って。」
「…れいら…。柏木麗羅…。名前は知ったけどなんて呼べば良いかわかんないし…。一応初対面ですから。」
「ふーーん…麗羅…じゃ、俺の事呼び捨てで良いよ。俺もそうするし。」