君との出会い~奇跡がある限り~
きっと、こんな簡単に諦められちゃうのは本気じゃなかったんだ……
いつかもっと後で妹の事よりも大事な運命の人が、現れるんだろう……
だからその時まではせめて、恋などは止めよう。
したとしても、その人と一生を歩もう……
そう俺は、珪奈の遺体に向かって決めた。
だから、とりあえずこの恋は終わらせることにした。
「珪奈……今頃どこにいるんだろうな…もう、あの世には行ったのかな?
それとも、思い残したことがあるのかな?」
俺はそうつぶやき火葬場の会場に着いた。
『それでは、故人と最後のお別れをしてください。』
誰かが、そう言ったようだった。
でもやはり、妹の死をかんたんに受け入れられることはできずにいた。
顔を見にいけず放心状態でいたら、亜美が俺のところにやってきて『泣いても良いんだよ?』と言ってきてくれた。
その言葉を聴いて俺は、少しだけ目が覚めた気がした。
俺は妹が死んだすぐに少し泣いたっきりで、まったく泣いていなかった。
泣いてしまったら、妹の死を認めてしまっているようで……
「でも……珪奈が、ずっと笑っててくれって、最後に言っていた。」
俺は亜美にそう言った。
そして亜美は、最後についてあげられたことを羨ましそうに話してきた。
そして、それなら笑って最後をみてあげな。
天国にいけるように…
そう言ってくれたのだ。