days
よーい、ドン。
走るなんていやだ、なんてなぜか言えなくてシュン君の合図で、あたし達は走り出した。
一瞬で風のように少し前を走るシュン君の背中を必死に追いかけた。
届きそうで届かないその距離は、まるであたしとシュン君の関係そのものだと、ふいに思った。
グラウンドを一周走り終えたあたしは座り込んでハァハァと荒い息をこぼす。
「なっさけねぇなあ。それでも運動部かよ」
そう言われて見上げると、シュン君は、汗ひとつかかずに涼しげな顔を浮かべている。
「さすがだね。これでも必死に追いかけたんだけどな」
笑顔を作ってそう返すと、シュン君は何も言わずにあたしの隣に腰かけた。
「キツイけどさ、色々忘れれるからさ。走ってると」
そしてポソリ、と独り言のような声でつぶやいた。