それぞれのstory。


数年ぶりに見る、透琉の実家の前。



私は正直かなり緊張していた。
話せるか分からないし。
まだ怖いって気持ちもある。



私は一度首につけてるチェーンに通してある透琉からもらった指輪を力一杯握って、覚悟を決めた。


「よしっ!!」
私はそう言って、意気込んでインターホンを押した。




「はい…。」
「お久しぶりです。
朱音です。」
「…ちょっと待って。」
多分、インターホンのモニター越しに私が見えて、私の言葉にそう少し間を開けてお母さんは返した。


そして、暫くして透琉の家の扉が開いて、最後に会った時よりは顔色も良くて、少し穏やかな感じに戻ったお母さんが、顔を出した。


「朱音ちゃん。」
「…お久しぶりです。」
お母さんが呟くように私の名前を呼んだので、私も門越しに挨拶した。


「入って。」
お母さんは数段の階段を降りてきて、門を開けて私を家の中に促してくれた。




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