それぞれのstory。
「ドレスの試着の時に、透琉がプロポーズみたいな事してくれた事思い出して。
いろいろ考えて、ずっと逃げてた過去と向き合う事を決めて、今日ここに来ました。
自己満足ですいません。」
「そんな事ないわ。
今日来てくれて嬉しかったもの。
前に進んで。
貴女は幸せになるべきよ。」
お母さんは、優しくそう言ってくれた。
やっと心につっかえてた、何かが取れた気がした。
「はい。
でも、ずっと透琉の事も忘れません。
おばあちゃんになっても。」
「フフッ。
ありがとう。
あの子も忘れて欲しいとは思ってないと思うから喜ぶわ。」
「透琉にもそう、伝えました。
昨日夢に出てきたんです。」
「そう…。
あの子ったら、私のとこには出てきてくれた事ないのよ??
ホントにもう…。」
そう言って、今度はお母さんが泣き出した。
「お母さん、今なら話聞いてくれるから大丈夫だって言ってくれました。
私が言うのも変だけど、きっとお母さんの事も見守ってるんだと思います。」
「そうだったら…良いわね。」
お母さんはそう言って、涙の跡が残る顔で微笑んだ。
泣き笑いみたいだけど、やっぱり優しくて綺麗だった。