生意気悪魔
私は列から首だけ出して合格者が出てくるのを見た。

釣り目で性格のきつそうな女の子の隣によく似た男の子がいた。

その二人の後ろには大きな二本足で立っている黒い怪物、ケンタウロスが二頭立っていた。

あの子たち…双子?

それも二人とも出した使い魔がケンタウロスだなんて…

今年の試験は優秀者が多いらしい。

十伍じゃなくても緊張する。

徐々に順番が近づいてくる。

私の少し前の子はホワイトタイガーを出してみせた。

徐々に私の焦りと緊張は高まっていく。

「受験者No.249ラリア・フロール。前へ!」

ついに私の順番が回ってきて、私は前に出る。

「その水晶に手を当て、使い魔を呼び出しなさい。」

「…はい」

私は水晶に手を当て、目を閉じ集中した。

私の頭の中に別世界のようなものが広がった。

そこには、何億もの箱が置かれている。

箱に近づくと箱から私の名を呼べという声が聞こえる。

箱は文字が刻まれた板で固く閉じられている。

その板に刻まれた文字、それが名前なのだろう。

どの箱からも声が聞こえて、うるさくて頭が痛くなる。

ずっと進んでいくと一つだけ声のしない箱があった。

箱には『ケイト』と刻まれていた。

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