どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「好きだ。好きだって、今更気付いて。今更気付いても意味ねぇのに。
あの時自暴自棄にならねぇで何で素直に"好きだ"って言えなかったんだって自分を毎日責めて。
鈴奈が家を出ていった時よりももっと荒れたんだよ。でも、そん時にたまたま、ソファーの下から見付けた。」
そこで初めて、長原が俺の顔を見た。
その顔は、今まで見てきた爽やかな表情なんて何処にもねぇ。
ただ、後悔の表情。
胸が痛くなった。
「手紙が、床に貼ってあったんだ。"祐毅(ゆうき)へ。"って書いてある封筒が。」
長原の手はワナワナと震えていて、俺はそんな長原を見ていられなくなって長原から目を背けた。