どうしょうもねぇくれぇ、好き。





「それ見付けたのはぃぃけど、なかなか読めなくてよ。


でもつい最近、気持ちに区切りをそろそろ付けなきゃいけねぇと思って

やっと封筒から出して読んだんだよ。そしたらよ鈴奈、泣ける事ばっかり書きやがってよ。



元気にしてる?


私は……うーん。
元気かな?


手紙、
見付けてくれたんだね。
良かった。


っていうか、ちゃんと
部屋の掃除してるー?

部屋の掃除はちゃんと
しないと駄目だよ?


今までは私がしてたから
心配だな。


あ、そうだ。
私、祐毅と一緒に
見たいDVDがあるの。
ラブストーリーだけどね。
祐毅と見たいな。


それとね、私達
付き合ってないのに
ほら…体の関係
持っちゃったりとか
してるじゃん。

それが辛いなー、なんて。




………祐毅、好きだよ。


って。」




ハハッと乾いた笑いを長原が溢す。



それは、自虐的に出したんだろう。




「俺は何を考えてた?鈴奈は俺の事を考えてた。


その時、俺は………自分の事を考えてた…。後悔した。


やっぱり、好きだって伝えたかった。ずりぃよ。鈴奈だけ、言い逃げだなんて。」




髪の毛をクシャクシャと掻き乱す長原。





< 49 / 176 >

この作品をシェア

pagetop