どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「好きって言えばぃぃのかよ?」
「お前等、俺から見たら相思相愛だぞ?」
ニヤニヤとムカつく笑みを浮かばせながら窓の外に上半身を出している長原に、かなり冷や汗をかく。
「お前、落ちるぞ。」
「いや、この子の救出の方が先だ。」
何を言ってるんだ、お前は。
はぁ、とため息をついて長原の近くに寄ると
――ピィピィッ――
「お前、何つばめの巣を破壊してんだ。」
長原が真剣な表情をしてつばめの巣を持っていた。
「だから、つばめの赤ちゃんをレスキューしてんだよ。」
「…お前、動物愛護協会に訴えられるぞ。」
「言っておくけど、これ俺が壊したんじゃねぇからな。」
ムッとした表情をして俺を見てくる長原に
そうか。
と相槌を討つ。
「でもこの状況だけ見たらお前が壊した事になるって。」
危ねぇから取り敢えずそこから降りろ。
と長原の服を引っ張るけど、長原は
いや、あともう少しでつばめの巣から落ちそうなつばめの赤ちゃんを救えるんだ!
と一向にその体勢を変えるつもりは無いらしい。