どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「聞きたくねぇって…何で?」
右隣に居る瑞季を見つめる。
すると
「私ともう一緒に居られないの?」
瑞季が俺を見つめ返してきた。
「は?」
何でそうなる?
どうしてそんな事になった?という視線を瑞季に向けると瑞季は泣きそうな顔をしていた。
何でそんなに泣きそうなんだ?
何でそんなに声のトーンが低いんだよ。
…何でそんなに元気がねぇんだ?
瑞季に対して一個気になる事があると次々に気になる事が増える。
…まずは、
「何でそう思うんだよ。」
瑞季のその不安を取り除く事からだ。
瑞季をジッと見つめる。
すると、瑞季は俺から目を反らして。
胸が少し傷んだ。
「……じゃない。」
「ん?」
「さっきの女の方がぃぃんでしょ。」
「はぁ?」
俯いていた瑞季が俺の方を勢いよく向く。
それと同時に意味不明な言葉が飛んできて俺はつい、間抜けな声を出した。
「さっき一緒に居たじゃない。そこで。」
瑞季がいつもより低いトーンで喋りながら窓の外を指差す。