片恋★パンドラボックス
「あのね、俺は好きな人を忘れる為に他の誰かを身代わりにするのがどんなに辛いことか知ってる。
無理に好きになろうとすることが、どんなに無意味なことか知ってる。だから…」
「うん。」
「ねぇ、奈緒?」
「ん?」
「“捨てようとするのは簡単だけど、手を伸ばせばすぐ拾える距離にある。それを我慢するのは辛い”……俺がそう言ったの覚えてる?」
「ん。」
ちゃんと覚えてる。あの時は大丈夫だと思ったけど、その結果がこれ。結局、全然ダメだった。
「あれね、あの人自身ががそうだったんだよねー。」
「へ?」
「あの人の好きな人も身内。しかも親の再婚で兄妹になったにーちゃん。」
「え…。」
まさかの展開にビックリした。こんな、ベタな恋愛マンガみたいな恋をしてた人があたし以外にもいたなんて…。
いやでも、それなら余計でもおかしい。あたしが知ってる優斗なら、こうやって冗談混じりに励ましてくれることはあっても“付き合おう”なんて言うはずが…。
無理に好きになろうとすることが、どんなに無意味なことか知ってる。だから…」
「うん。」
「ねぇ、奈緒?」
「ん?」
「“捨てようとするのは簡単だけど、手を伸ばせばすぐ拾える距離にある。それを我慢するのは辛い”……俺がそう言ったの覚えてる?」
「ん。」
ちゃんと覚えてる。あの時は大丈夫だと思ったけど、その結果がこれ。結局、全然ダメだった。
「あれね、あの人自身ががそうだったんだよねー。」
「へ?」
「あの人の好きな人も身内。しかも親の再婚で兄妹になったにーちゃん。」
「え…。」
まさかの展開にビックリした。こんな、ベタな恋愛マンガみたいな恋をしてた人があたし以外にもいたなんて…。
いやでも、それなら余計でもおかしい。あたしが知ってる優斗なら、こうやって冗談混じりに励ましてくれることはあっても“付き合おう”なんて言うはずが…。