片恋★パンドラボックス
頷くあたしの腰に腕を回し、突然、胸元からパッと顔を上げた優斗。



「なーおーちゃん?」



「なっ、なに?」



ニンマリと悪戯な笑みを浮かべる優斗目の前になんだか嫌な予感がするけど、訊かずにはいられない。
引きつりそうな頬を堪えつつ、あたしは「なに?」と再び訊ねかけた。



「ねぇ、奈緒ちゃん?そろそろ退いてくれるかなぁ?」



「へ?」



「俺も男の子だから、目の前におっぱいがあったら触らずにいられないー!っていうか、悪戯したくなっちゃうー!っていうか、まぁ、ぶっちゃけヤりたくなっちゃうー!!」



「キャァァー!!」



すると突然ギュッと抱き締め、胸元にキスを落としてきた優斗は、真っ赤なあたしの顔を覗き込みながら「…なんて、ね。」と笑って。



「もうっ!バカバカ!!」



「いやいや、これが真樹だったら最後までヤられてたよ。絶対。」



「あー…あたしもそう思う。ほんと優斗で良かった…。」



「だろ?…ほい、服。」



「ありがと。」



「俺ってばマジ紳士ー。」と服を着る優斗の横で渡された服をサクサクと着たあたしは、「よっ。」とベッドから降りると、カバンを手にニッコリと微笑んだ。

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