片恋★パンドラボックス
「うわっ!あっちぃー。もう7時だってのに、外、マジ地獄。俺、やっぱ夏嫌いだわ。」



「へー。優斗、夏嫌いなんだ?」



「大っ嫌い。バイト中、虫とかマジヤバいし。奈緒は?」



「あたしも嫌い。汗でメイク落ちちゃうもん!しかも今日は“誰かさんに”散々泣かされたせいで、つけままで取れちゃったし!」



「あー…それは…うん。否定しませーん。でも、俺は今ぐらいのがちょうどいいと思うよ。奈緒、元は良いんだしさー。」



「そっかなぁ?」



「うん。結構前にほぼスッピンで学校来たでしょ?つけまナシのやつ。あれぐらいのがいいよ。ってか、あれぐらいが俺好み。」



「そっかぁ……うん。わかった。考えとくね。」



「よろしくー。」



一歩電車から出れば、ホームには意外とたくさんの人。



「あれ?今日、自転車は?」



「今日は歩きー!」



「めっずらしー。」



「だってパンツ見えちゃうもん。」



「あー…脱がせてビックリの薄紫のフリ…」



「あー!もういーから。」



「はいはい。」



2人笑いながら改札口を出れば、薄暗い空には疎らな星たち。

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