片恋★パンドラボックス
「ふーん…」



「だから…その、」



「はぁぁぁー…」



瞬間、頭上からは、これでもかって程の溜め息。



「久々に……」



「え?」



「久々に乗ってく?」



「へ?」



一瞬、何を言われてるのか分からなかったけど、やれやれと言わんばかりの笑みを浮かべるおにーちゃん目の前に、胸の奥からジワジワと温かいものが溢れてくる。



「嫌なら別に…」



「うんっ!!」



「って、即答かよ。」



パァァーと満面の笑みを浮かべるあたし目の前に、呆れがちにポツリと呟いたおにーちゃんは、パッとあたしから視線を反らし、再びチラリと見ると、頭を抱えながら、はぁぁぁー…と大きなため息をついた。

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