竜を狩る者
10年前に受けた雪辱、遂に晴らす。

長きに亘って苦しめられた呪縛が、ようやく解き放たれる時が来たのだ。

ズメイの死骸から毒を採取し、懐にしまい込みながら。

「ありがとうございました、フューリーさん」

ラムダは心からの感謝の言葉を述べる。

「よ、止せよ。改まって言う事じゃないだろ?」

赤い髪を掻きながら、その赤よりも頬を朱に染めて。

フューリーは照れ隠しに笑うのだった。



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