竜を狩る者
風を巻いて解き放たれる、ラムダの一矢!

その鋭い尖端は、ズメイの炎と毒のブレスをも突っ切って飛翔する!

同じ竜種の素材で出来た矢だ。

如何にズメイのブレスでも、止める事はできない。

むしろ毒と炎を帯びて威力を増しながら、矢はズメイの鱗を砕き、分厚い筋肉を貫き、深々と胴部、内臓にまで達する!

回転しながら体内を抉る矢。

その痛みにズメイが断末魔の雄叫びを上げる!

刹那、止まる時間。

フューリーも、ラムダも、ズメイさえも、時の流れに取り残されたかのように硬直する。

そして次の瞬間、ズメイの巨体は崩れるようにしてその場に沈んだ。

「や…」

頬を緩ませ、歓喜の声を上げようとするラムダに先んじて。

「やりやがったよ!こいつぅっ!」

フューリーが華奢なラムダに熱烈な抱擁をプレゼントした。

< 99 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop