竜を狩る者
「ニーズヘッグ…狩るんだろ…?」

少し発音のおかしい口調で、サンが言う。

耳が聞こえないせいで、彼は喋るのを苦手としていた。

それでも懸命に言葉を紡ぐ。

「ほぉ…?」

刃を構えたまま、ローゼンが声を上げる。

彼がこれからニーズヘッグ討伐に行くのを知っている。

ギルドで受注するのを見ていたのか。

それで先回りしてここで待っていたらしい。

「で…どうする。獲物を横取りに来たか?」

ローゼンの足が半歩前に出る。

言っておくが、彼は子供相手に手心を加えるような慈悲の持ち主ではない。

また、共通する獲物を狩るのだからとパーティーを組むような性格でもない。

退くか、退かぬなら殺すか。

そういう荒んだ思想の持ち主だった。

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