EXIT~出口を探し求めて~

僕が気づいた時にはすでに遅かった。

母さんが「ゼロ!!!」と叫んでいた。

目線を母さんから外した。

振り返った向こうからさっきの少年が血に濡れた剣を僕に構えて走って来ていた。

避けられない…本能的にそう悟った
時間がゆっくり進んでいるような感覚に陥り、僕は思わず目をつぶった。

目をつぶったのとドスッという音が聞こえたのは同時だった。来るはずの痛みを耐えてみるものの、その痛みは一向にやってこない。

(あれ…?
痛くない)

ふと、疑問に思い、僕は目を開けた。
目の前は何が覆いかぶさっているのか、薄暗い。
程なくしてドサッという音とともに光が入ってきて、あまりの眩しさに、僕は目の前に手をかざした。

光に移し出されて手から何か生暖かいものが垂れているのに気がついた。

光に目がなれ手を見てみるとそれは大量の鮮血だった。

僕は視線を下に落とした。
足元にある生暖かい ナ 二 カ に。
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