Fahrenheit -華氏- Ⅱ

「あ、でも女の人同士だと恋バナとかするんですか、やっぱ」と佐々木は興味深そうに瑠華に聞いていて


「コイバナ?」


と今度は瑠華の方が上手く変換できなかったようで


「恋愛の話ってこと」と俺が説明すると


「ああ」と瑠華は頷き「それはしていません」と随分あっさりした口調ですぐに答える。


「そうなんですねー……てっきり女の人同士ってそう言う話をしてそうでしたが」


「するときもありますよ?」と瑠華は目を上げ


「それって……柏木さんの、か…彼氏の話…とか?」と佐々木が探るように顎を引きながら聞く。佐々木、さりげなく探りを入れやがって。


「彼氏?」瑠華が目をまばたかせ、しかし敢えて俺の方を見ようとはしなかった。相変わらずスルーがうますぎるぜ!てかそれが素かも……


「さっき部長と噂してたんですよ。柏木さんの彼氏は遠距離なのか…とか。


最近柏木さん携帯をやたらと気にしてるし…東京の観光名所を聞いてきたり…」


いくらか酒が回ってきたんだろうないつもにもなく佐々木はストレートに聞く。


「遠距離?」とまたも瑠華は目をぱちぱちさせ、今度ばかりは俺の方をちらりと見た。


実際は、超!!近距離恋愛だけどな!


けれど俺は瑠華に目合図。


『そう言うことにしておいて!それが一番楽』と。


だ・け・ど


「相手は男性じゃありません。女性です。ニューヨークに居る。今回旅行も兼ねて一週間滞在する予定なので」


俺の目合図通じなかった!!


それを聞いて佐々木は一瞬驚いたが、あからさまにほっとした様子。


「じゃ、じゃぁ今はフリーってことですか」と佐々木が勢い込み


瑠華はその勢いに若干引き腰。


「ご想像にお任せします」


うん!ナイスな返し!


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