たったひとつ
代用器を一応使っていたが
誰のアドレスも入ってないから
持っていても仕方がなかった。
次の日私は部活があり学校へ行った。
軽音部でボーカルをやっている。
「優菜!」
先に着いていた優菜に声をかける。
優菜は同じバンドのギター担当。
「あ、萌乃香!さっき電話したのに
何で出ないんだよぉ」
優菜はふてくされていた。
「あ、これ優菜の番号か。
私携帯壊れちゃってさ誰の番号か
わかんなくて出なかったごめんね」
謝ると優菜はひょいと私の携帯を奪うと
何かいじっていた。
と思ったら返されて、
「なにしたの?」
不思議に思い聞くと
「何って・・・私の番号!代用器でも
一応入れといて♪」
そう言ってニコっと笑った。
「あ、ありがと!」
優菜の笑う顔がすごくかわいくて
女の私でもうっとりしちゃう。