占い師の恋【完】
「ねえ茉希の部屋寄ってい「だめ。無理。」
「……何で。」
「そのまま返す。何で。」
青はえーだのうーんだの唸るような声を発しながらも、くすりと笑い声をもらした。
「一緒にいたいから。」
「……。」
茉希好き、って。また当たり前のように言ってのけるんだから私の頬に熱が集中する。
その様子を見た青はさぞ嬉しそうに口元を緩めて艶っぽく笑った。私からコイツを喜ばせてどうするんだ…、
溜め息混じりに青を見上げてみれば、愛しそうに目を細めてて。
その目が忘れちゃいけない現実を思い出させる。
「杉山さん…!占い自体辞めるって、どういうこと?」
胸ぐらを掴んでしまったため、その目は一度大きく見開き瞬きを繰り返す。愛しそうに、でも壊れ物を扱うように優しく私を見つめるあの目は、やはり兄弟だ。