占い師の恋【完】
瞬きを繰り返していた目は、私と視線を絡ませると少し気まずそうに伏せられる。
何だと問いかける前に、答えはあっさりと目の前の口から零れた。
「緑が家を継ぐ。」
「それは知ってる。だって前は青が継ぐって言ってたじゃない。」
「それはもう違う。状況が変わった。今は長男の緑が継ぐことに決まったんだ。」
「何で、突然…?」
どうしてイキナリ状況が変わったりするの?だって杉山さんは家を出て、青は嫌々従うしかなくて、それが嫌で逃げてて…。
でもこの前、もう中途半端にはいないって。
明日会いに行くって………、誰に?
「……話があるんだ。部屋行かせて。」
真っ直ぐな、真剣に私を見る瞳に、私はもう逆らうことはできずに。二人また私のアパートへ歩き出したのだ。