占い師の恋【完】
「だって、今、青、また杉山さんと代わろうとしてるじゃん。」
「…、」
「そこに私がいたら、代われないでしょ。だからここで終わり。」
所詮、占いなんだって、本当にそうかもしれない。青を占って見えたのは冷たい青色と、もう一つの青色には小さな赤色が寄り添っているという。
青は私を大切なものって言ってくれたけど、それは違うよ。
だって、こうやって離れることになるんだから。運命とかなら、こんなことにはならない。
私と青は、運命じゃない。青が見つけるべき大切なものは私じゃない。
「傍にいる、なんてさ。できないなら初めから言わないで。」
「俺は本当に…、」
「何が本当なの。今、離れようとしてるじゃんか。だから……、もう青とは終わり。」
「犠牲を生んでまで私は幸せになろうなんて思わない…。」
俯いた私の耳に届くのは、はっと苦しそうに息を吐き出す音。
「…茉希、俺の大切なものは茉希だから。」