占い師の恋【完】
口を真一文字に結んでいた青は、はっきりとそう言葉を吐き出した。
それに動揺を隠すことはできずにそれを顔で伝えれば、クスリと笑われて。
「今は約束破っちゃうけど…、逃がさないよ。」
「っ…」
「絶対、奪いに行くから。それに…、」
゙もう茉希が俺から離れられないんじゃない?゙
゙そのピアスも、涙も。゙
゙俺を好きって言ってる。゙
全部、見透かされてた。
自分でも気づかない内に、流れてしまっていた熱い雫は、気づいてしまえば馬鹿みたいに溢れ出して頬を伝い落ちる。
それを青の指がそっと掬い取り、伏せていた目の上に感じる温かくて柔らかい感触。
チュッと響いた音で吃驚して目を見開けば悪戯な笑顔を浮かべた男。