占い師の恋【完】
この数時間、人生の中のほんの少し。その時間の流れが色々あったにも関わらず、あまりにあっさりとしていたことに自嘲的な笑みがもれた。
私にとっても、青にとっても、ただの人生のほんの一部。なのだろうか。
「(…ほんと、ここまであっさりいくものなのだろうか。)」
どこから、歯車は狂いだしたのだろう。
青が帰宅して、父親が現れて、杉山さんが家を継ぐことになって…。
―――――そんな所?
違う。もっともっと前からだ。
私と青が出会ってしまった所からだ。
好きって思う。この気持ちが好きって分かる。傍に、もう、青はいない。
「終わった、んだ…。」
その前に、始まっていたのかも不思議なのだが。
嘘つきな逃亡者は、私の心に自分を刻むだけ刻んで、消えてしまったのだった。