占い師の恋【完】


「お前、何も聞いてねえのか。」

「……何が。」

「後継いだ方が見合いするっていう「渚!!」



バンッと。部屋に響く音はドアを力いっぱいに開けて、壁に当たった音で。

声の主も音の犯人も勿論棗ちゃん。棗ちゃんは私が部屋に着いた時丁度買い物に出ていて、今帰って来たのだろう。



ドスドスと大きな音をさせながらこちらに近付いてくる棗ちゃんの顔は明らかに怒っていて。風見さんは煙草の紫煙を吐き出しながら声をかける。



「おーなつめ…、」

「バカ渚!何でそれをまっきーに言うの!?バカ、いっぺん死ね!」

「し、死ねはねえだろ。」

「有り得ない。最低よバカ!死ね死ね死ね!」



私の中の棗ちゃん像がガラガラと音をたてて崩れ落ちていった気がする。棗ちゃんがあんな言葉を連発するなんて、怖すぎる…。


当たり前だけど、風見さんは本気で傷ついている顔で黙りこみ、静かに煙草を吸っていた。

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