占い師の恋【完】
それから。こんな青と杉山さんの皮肉な言い合いが続いて(時々それに巻き込まれ)いたが、車が止まり
「着いた」と。杉山さんの一言でそれは終結。
が。
代わりに私の暴れ出す心臓やら全身を流れ出す冷や汗なのか、わからないものやら……。
おかしくなりそうだ。何で青と話すだけが家に連れてこられるんだ。
何か泣きそう。
「茉希、おいで。」
囁くような優しい声に俯いていた顔を上げれば、私側のドアを開けて外から差し出される大きな手。
それにそっと手を重ねると、青は嬉しそうに頬を緩め手を引いてくれた。
車から降りた私の手を引いたまま、青は私の耳元に自身の口を寄せる。クツリ、喉を転がすような笑い声が脳を擽った。
「捕まえた。」
「(……捕まった。)」