占い師の恋【完】
頬が紅潮してしまってはいるけど気付かぬフリ。
青をゆるりと睨み見れば少し申し訳なさそうに眉を寄せた。
「ごめんね茉希、困らせちゃって。」
「………ほんとだから。」
ブスッと呟けば、青は一瞬目を見開いてからははっと小さく笑う。
と。
ポンッと頭にのせられたそれはもう一度叩くように頭にのる。
「茉希ちゃんなら大丈夫。」
「…杉山さん、」
「俺は大丈夫だから、ね?」
――――全部、気付いてたんだ。私が青と一緒にいることに対して戸惑いがあるのは、杉山さんの人生を壊してしまったと思ってるからだって。
頭の上から重みが消えると、杉山さんは「お先に」と言って歩いて行ってしまった。
「…、行こっか。」
「……はあ。」
青は私の手を握ると指と指とを絡ませてキツく繋いだ。憂鬱な気持ちは晴れるはずはなく。歩みを進める方に佇むそれに、ちょっと緊張で吐きそうになってしまった。