占い師の恋【完】
――…これ、が家?
目の前に広がるのはよくテレビの大金持ちが住んでるように見せる、お城みたいなアレ。
和な感じだけど、取りあえず無駄にデカい。こんなに大きくする必要があったのか位にデカい。
その光景に目を見開き、口は半開きの状態の私。
青はゆらゆらと私の目の前で細く綺麗な指を揺らす。
「おーい。大丈夫?」
「……いや、まあ…、何て言うか。」
「んー?」
「(…こんなの現代にあったんだ。)」
少し、青という存在が怖くなった。
金持ちなんだって分かるに連れて、この男の数々あった不振な行動にさらに怖くなる。
家押し掛けたり、無理矢理連れ去ったり、サドとマゾの両方を発揮したり、もう何やらかんやら――――。
「茉希、無理はしないでね。」
「…うん?」
曖昧に返した返事に青はにこっと笑いまた私の手を引っ張り歩き出した。
無理、なんて。
どうして?他人様の家でするわけないのに。