秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――翌日、またも病院を訪れた俺達。
今日は花梨達が早くに来ていて、俺達を見つけるなり駆け寄ってきた。
「昨日の…! 昨日のニュース見たでしょ!?」
興奮気味の花梨。
ドイツ語の分からない彼らのために、英語で切り返すアッシュ。
『ああ…見たよ。……シュンが荒れて大変だったけど』
「え? なんて?」
『なんでもないなんでもない!』
日本語と英語の会話という、なんとも不可思議なものだったが。
ちゃんと通じているのだから面白いものだ。
「せやからゆうたやん。お前の考えすぎやって」
「…ああ…。そうだったみたいだね。…でもこっちのほうが逆に頭に来るよ。そんなイカれた野郎にすべてを台無しにされたなんて」
『…シュンと同じこと言ってる…』
『たりめェよ。事実なんだから』
巻き込まれたやつらは誰が聞いたってそう言うだろうぜ。
今朝のニュースではもっと詳しいことを言っていた。
なんでも昔起こした事件では、心神喪失とみなされて早々に釈放。
だがどうだ?
そのおかげでまたこんなことになってんじゃねェかよ。
もしまた心神喪失だなんだとぬかしやがったら、被害者は黙ってねェぞ。
―ガシャーン…
「えっ?」
犯人に対する怒りを増幅させていたときだった。
真裕の病室から、なにかが倒れるような…そんな音がした。