桃染蝶
「カヤコ

 おまえって思ったより
 グラマーだな?」

「・・・バカ」

お兄ちゃん・・・

私には、冗談を言う貴方の
気持ちがわかるよ。

私達、あまりにも長い間
近くに居すぎて、正直
面と向かって愛を語り合う
なんて恥ずかしい。

私は、貴方の腕の中
恥ずかしさに頬を染める。

「乗れよ」

「う、うん」

助手席のドアを開く貴方は
乗車しようとした私の腕を掴み
グイッと引き寄せ、もう一度
抱く。

貴方は、ぼそっと私の耳元に
囁いた。

「おまえを愛してる」
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