桃染蝶
泣きながら、私は問う。
 
「いいの?
 
 こんな私
 
 ここに、いても・・・」

二人は、にっこりと
微笑んでくれる。

こんな私に、いいよって
頷いてくれる。

「ありがとう

 不安だったの・・・」

一夜は、この私を
その腕で抱きしめてくれた。

「大丈夫だ、俺がいる」

それは、恋人に告げるように
優しい声。

過去に愛した人の温もりに
私は、ほっとする。

「ありがとう」

三人で暮らし始めてから、一月

私は沙織さんに微笑みかけ
時に甘えてみせる一夜の姿を
見ても、もう嫉妬心など抱く事
は無かった。
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