桃染蝶
今日は、沙織さんと一緒に
お菓子作りをしている私。

バターと砂糖を混ぜ
溶いた卵を少しずつ加えて
また混ぜる作業をする
サオリさんの隣で私は
小麦粉を篩いにかける。

こうして、沙織さんと並んで
料理を作ったり、三人で
テレビを見たり毎日が楽しく
過ぎて行く。

こんな風に心から安らげる
時間を過ごせたのはいったい
いつ振りだろう?

私の心は、いつもいつも辛く
悲しい気持ちに支配されていた

安らぎなど、どこにもなかった

ううん

安らげる場所が、もうひとつ。

そう、そこはショウ・・・

愛する、貴方の元。

本当の私は、あの場所に
帰りたい。

貴方の元へ帰ってもいい?

『なあ、今度食わせてよ
 焦げてないやつは絶品!
 旨いからさ』

「はい、できあがり
 一枚、味見どうぞ
 熱いから気をつけてね」

お皿に盛られたできあがった
クッキーを見つめながら一枚
口に頬張ると涙が零れてきた。

「どうかした、まずい?」
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