桃染蝶
『ママは

 あなたを愛しています

 永久に』

手紙を読みながら、沙織は
涙を流した。

「ありがとう

 カヤちゃん
 
 私、大切にするね」

庵を抱く沙織ごと、その腕に
抱きしめる一夜。

こうして、花夜子がこの世に
残した命、庵は、高月一夜の
息子となり、真実を何も
知らされずに一夜の元で育つ。

本当の父親は、高月正二
高月組二代目組長として
この世に生きる。

そんなこと何も知らずに・・


あれから、二年・・・

花夜子の命日。

墓前には、花を手向ける人
がいる。

男が、一人。

砂利道を無邪気に走る
子供の姿。
< 372 / 386 >

この作品をシェア

pagetop