桃染蝶
おまえのいない世界
あまりにも、つまんねえ。

でも俺は、どんなにつまらなく
とも、この世界で生き続けなく
てはならない義務がある。

愛する女と引き換えに掴んだ
夢を、中途半端で放り投げる
わけにはいかない。

とことん、行きつく所まで
行くだけ・・・

無我夢中で、生きてみせる。


雨降る夜・・・

寂しい雨音を掻き消す
電話の音が正二に聞こえる。

人間、長く生き続けていると
聞こえてくるのは、悲しい
知らせばかり・・・

花夜子の後を追うように父が
病死した後、思いもよらぬ
知らせが入る。

「ショウちゃん

 イチヤが・・・」

「交通事故、誰が?」
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